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コラム第五十回:行動変容」を引き起こすアプローチ。それは、「to you program」。

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田実です。

先日、人事の方が、
「新入社員研修で、クラス全体にメッセージを発信しても、
自分には関係がないというスタンスで聞いている人が多い。
例えば、『主体性が低いので、もっと主体的に行動しよう』といった話をしても
そのメッセージを伝えたい人ほど、『自分は出来ている、自分には関係がない』
という顔をしているように感じる」
と仰っていました。
人事の方は、研修で伝えていることが響いている実感をもてていないとのことでした。

また、最近、私が若手受講者に研修をしていると次のようなことが増えてきました。

研修終了後に、受講者が私のところにやってきて、
「私はどうでしたか、フィードバックをしてください」と、
コメントを求めてくるケースです。

この行動の背景には、成長意欲が高いこと、
そして、人と比べて自分が出来ているのか出来ていないのかが
とても気になるということが考えられます。

クラス全体に対するメッセージは、一般論として受け止め自分事にしない。
一方で、自分自身に対する個別メッセージを求めてくる。
このようなことが最近増えてきているのです。

また、研修前後の人事部の方々との打ち合わせにおいても、
受講者各人の置かれている状況や課題について、相談される
ケースも増えてきました。

研修を実施させていただく中で感じることは、研修に求められることが
少しずつ変化してきているように思います。

これまで、情報伝達やスキル習得を目的にした研修においては、
ファシリテーターが受講者に情報を伝え、それを受講者が理解する、または、
スキルを伝え、それを受講者が習得するということで研修の目的が
達せられていたかもしれません。

しかしながら、研修は単なる情報の理解やスキルの習得ではなく、
受講者の「行動変容」を求められるようになってきました。

「行動変容」とは何かを考えると、それは、「気づき」や「意識変革」だけでは
不十分であると考えます。

例えば、本を読んで、気づきを得たり、その人の意識に変化が見られたりしても、
行動が変わらないことが多いです。これは、何を意味しているかというと、
人は、気づきを得るだけでは行動が変わらないということです。
気づきが行動変容を簡単に引き起こすならば、本を読んだ人は、
確実に行動が変わり、世の中はもっと成果を出す人で溢れ、
幸せな人々で溢れていてもいいでしょう。

本を読んでも行動は簡単には変わらない。同様に、研修を受けても、
行動は簡単には変わらないともいえると思います。

では、行動が変わるためには何が必要なのでしょうか?

ポイントは、「一般的な気づき」ではなく、「自分にとっての気づき」が
必要だということです。

自分のことを正しく認識すること、つまり「自分にとって、この気づきはどのような
意味があるのか、自分は何が出来ていて、何が出来ていないのか」に
気づくことだと思います。

例えば、「主体性」というテーマなら、「主体性を発揮することが重要だ」という
メッセージではなく、「自分にとって、主体性がなぜ必要なのか。
また、現在の自分は、主体性をどの場面でどの程度発揮出来ており、
反対に、どの場面で発揮出来ていないかが明確になる」ことであると思います。

行動変容につながる「気づき」とは、自分の状態を客観的に把握することが
必要不可欠であり、またそのレベルで気づかなければ、行動変容が起きないと言えます。

冒頭に書きましたように、特に最近の若手や新人が、研修におけるメッセージを
自分事としてではなく、一般論としてしか捉えることが出来ないのであれば、
いくらメッセージを発信しても、本人の行動変容を促す気づきになっていない
可能性があります。

更に言えば、行動変容を引き起こすためには、自分事としての気づきを得るだけでも
不十分で、そのことを「受け入れる」ことが重要なポイントになります。
「受容」すると言ってもいいでしょう。

「自分のことを正しく知り、そのことを受け入れること」
これが、行動変容においては、欠かせないプロセスです。

ただ、この一連のプロセスを受け入れることはとても難しいのです。

例えば、「主体性を発揮する」というテーマにおいて考えるならば、
「自分は、会議の場で、意見を思いついても自分の意見を発表していない。
自分から手を挙げていない」
ということをそのままに認めることですが、
通常、そのことを受け入れる前に、別の感情が湧いてきます。

それは、「間違った発言をしてしまったら恥ずかしい」「生意気なやつだと
思われたらどうしよう」「今の自分は、まだ自信がない」といった感情です。
格好をつけようとする自分や、変なプライドのある自分、または、
自分のことを卑下する自分が出てきて、現状の自分をあるがままに
受け入れることを拒みます。

自分のことをありのままに受け入れるためには、
格好をつけている自分に気づき、そのことを受け入れることが必要なのです。
人目を気にして、自分のことを必死に隠そうとしている自分自身に気づき、
そのことを認めることが必要です。

格好をつけていることを認めた人から聞かれる声としては、
「何で私のことが分かるのですか?
隠していても、人は分かっているのですね。
恥ずかしくなってきました」
という声です。
傲慢になるわけでもなく、自分のことを卑下するわけでもなく、
ありのままに、等身大で自分をさらけ出すことが出来たとき、
人は「気づき」=「行動変容」へとつながります。

繰り返しになりますが、「気づき」と「行動変容」の間には、
「受容」が必要であり、「受容」があって初めて、
気づいたことに対して、素直に「行動」という一歩を踏み出せるのです。

最近の若手や新入社員の傾向を見ていますと、
「自分のことが好きではない、自分に自信が持てない」ということを
言うタイプの人が増えてきています。

弊社が行った調査によると、社会人10年目は、62%の人が
自分のことが好きだと回答しているにもかかわらず、
新入社員は、わずか36%しか自分のことが好きだと答えていません。

自分のことが好きではなく、ありのままの自分を認められない人が
増えているのです。
これでは、いくら現場や研修で、メッセージを伝えても、
「私には無理だ、私には関係ない」とメッセージを
受け入れられずに終わってしまいます。

部下の「行動変容」を引き起こす、育成の上手な上司が現場で
何をしているかというと、部下一人ひとりをしっかり見て、
その部下が「現状を正しく自己認識する」ことをサポートしているのです。
部下に合った目標を設定し、仕事を通じて、常に仕事に対する基準値を
引き上げていくことが出来る上司は、部下の「行動変容」を引き起こしています。

現場で、「行動変容」を引き起こしている上司と同じ効果を
研修で期待するとどうなるでしょうか?

研修においても、一人ひとりに対して、個別に
「正しい自己認識」を可能にすることが求められてくると感じています。

それは、個へのアプローチです。
全体に対するメッセージだけではなく、「あなた」に対するメッセージが
必要になります。
個へアプローチしていくことを、シェイクでは、「to you program」と
呼んでいますが、今後は益々、個人個人に対して個別にアプローチしていくことが
求められてきています。

それは、研修において、簡易的なアセスメントや自己診断などを通じて、
その人の強みや弱みなどを客観視することをサポートし、
一人ひとりの個別の気づき・受容を支援していきます。
これは、「正しい自己認識」こそが、行動変容への第一歩だと信じているからです。

個へアプローチしていく「to you program」は、
シェイクが取り組み始めた新しい研修アプローチです。

一人ひとりの行動が変容し、イキイキとした社会人生活を送ること、
また、それが組織の活性化につながることを信じて、シェイクは一人ひとりを
力強く支援していきたいと思います。


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