
皆さん、こんにちは。シェイクの森田英一です。
2009年がいよいよ始まりました。
しかし一方メディアでは、不況の言葉が踊っています。
今、世界が直面している状況、
そして、その意味について私の考えをお話しさせていただきたいと思います。
今世界の経済は荒れています。
「100年に一度の不況」とまで言われ、
去年の今頃には想像もできなかったような状況が訪れています。
今、この状況は、起こるべくして起こり、
世界は大きな時代の転換期を迎えているのではないでしょうか?
資本主義経済の一面であるマネーゲーム的、物質主義的なものの限界を、
今回の事象に投影しているのは私だけではないはずです。
人は、刺激を求め始めると、より強い刺激が欲しくなっていく生き物です。
金銭や地位や名誉への欲求は、一度満たされたとしても、
それで止むことはなく、より多く、より高くを求めるようになります。
そのあくなき欲望・刺激の追求の限界を今回の事象に見ています。
その兆候は、今回の不況に限らず、
すでに様々なところに表れ始めていたように思います。
昨年、『不機嫌な職場』という書籍が大ヒットしましたが、
人々が外からの刺激による満足ではなく、
内面的な充実を仕事により求めることが増えてきたからこそ、
多くの共感を生んだのではないでしょうか。
金銭、地位、名誉などの外からの刺激による満足以上に、
本来、一人ひとりが内に秘めているその人らしい充実感、
より内面的な充実に幸せを見出していかなければ、
この消費型社会にいつか限界がくるのは明らかです。
そのことに誰しもが気づいてはいるけれども、
見て見ぬふりをしてここまできたというのが
これまでの実態ではないでしょうか。
今、その外的な満足を求める時代が終わりを告げ、
一人ひとりにとって本当に大切なこと、充実感を得られること、
本当に幸せに感じることを見つめ直す時代が来たのではないでしょうか。
そして、仕事においても、
一人ひとりにとってのその意味や意義が求められてくる時代が来たと
いえるのではないでしょうか。
人間は、本来、意味を求める存在です。
しかし、そのことよりも、刺激や欲望の虜になってしまった結果が、
今起こっていることとつながっているように思います。
チリ領のイースター島の話を聞いたことがあります。
イースター島では、10世紀頃から、モアイ像の制作が始まりました。
人口は、6000人から3万人程の人が住んでいたとのことです。
その後、モアイ制作やカヌー製造、農耕の拡大などで伐採が進み、
島全体から森林が消えてしまいました。
その結果、表土が流出し、農地は荒れ果て、
また木材が不足してカヌーの生産にも支障が出たことから
大規模な飢餓が発生。
そのようなこともあり、16世紀から17世紀にかけて部族間の紛争が起こり、
モアイ像の破壊合戦が起こったとのことです。
この時代、殺し合いで人口は激減し、
島民はわずか111名ほどになってしまったといいます。
食べ物や資源がなくなると、奪い合いになり、殺し合いになり、
伝承によれば、人肉食さえ横行したそうです。
このイースター島の出来事は、閉鎖された空間に存在した文明が、
資源争奪戦の結果、戦争により滅亡した歴史は、
現代文明の未来への警鐘として言及されることが多いです。
この例は極端だとしても、
今、世界で起こっていることと何らか学ぶべき点があるように思います。
(参照Wikipedia)
元来、外からの刺激による満足ではなく、
内面的な充実を求めることは、日本が得意としていたことです。
武士道や茶道など、「○○道」と言われているものは、
まさしく一つの技を極めることを通じて内面的な高み、
内面的な充実を目指していくものといっても過言ではないでしょう。
また、松下幸之助など、戦後の日本を支えた偉大な経営者の方々の多くが
道徳と経済の一致を謳い、世界的な大企業を築き上げました。
今、様々な企業が取り決めている経営理念や、バリュー(行動指針)なども、
日本がもともと行っていた道徳的な習慣に通じるものがあります。
このような、古き良き日本が持っていた、内面的な充実を重視する生き方や、
道徳的な価値観と経済的な価値とのバランスをとる生き方というのは
世界的にも注目を集めています。
私は昨年から合気道を始めたのですが、
子供クラスでは約半分が外国人の生徒です。
外国人から日本の本来の文化や、モデルへの関心を感じる一方で、
日本人があまりにも日本のことを知らないことに、
私も含めて恥ずかしくなります。
2009年1月5日号の日経ビジネスでは
「日本主導 -ジャパンイニシアティブ-」という特集が組まれました。
今こそ、日本が本来持っていたバランス感覚の原点に戻り、
効率や成果に偏ったマネーゲーム的な物質主義に偏ったものではなくて、
本来、日本が持ってきた強み、原点を今一度見つめ直して、世界に対して、
これからの企業モデル、経済モデル、人の生き方のモデルというものを
発信していく時期ではないでしょうか。
今回起こっていることは、コペルニクス的変動であり、
まさしく天動説から地動説になるごとく、
経済が伸びるための経済ではなくて、
本当の意味で人を幸せにするための経済であり、
人を幸せにするための企業という原点に
モデル転換する時期ではないでしょうか。
今後は、従業員を疲弊させながら、
発展していくような会社は、これから発展の限界を迎えるでしょう。
より、社員の幸せを高めつつ、
消費者から応援されつつ発展していくというような、
より本質をついた企業が伸びてくる社会になると思いますし、
そういったことに対して貢献をしていきたいと思います。
今、目の前で起こっていることを、
ただ単にコストが削減されるただ単に採用が減少することや、
人材育成予算がカットされるというような事象だけを見るのではなく、
今回の機会を人の幸せと経済の発展というバランスを取り直すいい機会と捉え、
10年、20年、30年、100年先といった次の時代における企業のあり方、
経済のシステムを我々がモデルとして創っていくというような
大局的な視野から今の時代を捉えたいと思います。
今こそ、このような日本が昔から培ってきた強みを見つめ直し、
日本発で、これからの経済モデル、企業モデルというものを
世界に対して発信していくべきではないでしょうか。
私たちも、我々が次世代の企業のあり方を追求していくという気概で
社会に貢献していく。
2009年は、そんな年にしていきたいと思います。