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コラム第三十八回:「若手以上、中堅未満の見えない節目」

皆さん、こんにちは。シェイクの森田英一です。

今回は、若手層と中堅層の間にある、
節目についてお話をしたいと思います。

人材開発を担当されている方と話をしていると、

「今まで若手向けの研修体系がなく、
これから創っていきたいのだけれども、
何を、どうやったらいいかわからない」

というような30歳前位の若手社員を対象とした研修企画の相談をよく受けます。

確かに、若手向け研修は新入社員研修やマネジャー向け研修と違い、
「これをやるべきだ」という明確な基準となるものがありません。

会社や職種、経験によってそれぞれの状況が異なり、企画が難しい層です。

その結果、よくあるのは、ロジカルシンキング、問題発見・解決、
ファシリテーションなど、その時々に注目されるスキルが若手向けの
研修体系に組み込まれたりします。

若手にとって、最も大事な、ど真ん中の研修とはどのようなものでしょうか?

私は、若手にとって最も大事な研修は、
「今までの流れの中で仕事をする」スタンスから、
「自ら枠を広げ、やるべきことを考え、周りを巻き込んで仕事をする」へと
仕事のスタンスを切り替えること
だと思います。

また、このスタンスの違いが若手と中堅の違いであると考えています。

このくらいの時期になると、
与えられた仕事は自分一人で回せるようになっています。
また、社内のこともある程度わかっています。

しかし、その一方で、自分なりの仕事のパターンが生まれ、
若手はだんだんと枠にはまり出します。

仕事は、今までの流れの中で、ルーチン的に仕事をしたり、
場合によっては指示待ち状態となり、
徐々にマンネリ感が生まれはじめたりする人も出てきます。

とはいえ、受けた仕事は、一人で回すことができるようになっているので、
表向きはその鈍化がわかりません。

しかし、この層は、会社としては、現場の要として、
リーダーとして活躍してほしい世代です。

若手がこのような状況に陥ると、
組織の成長がだんだんと鈍くなりはじめます。

現場の変革を担うのは、
現場を一番よくわかっている若手です。

若手が主体的に新しい仕組みを改善したり、
創ったりしていくことによって組織の成長は加速し、
若手が周りに働きかけることにより、組織はダイナミックに動いていきます。

しかし、若手が指示待ち状態になると、
自分の役割ばかりに気をとられ、部分最適に陥り、
部署間で足を引っ張り合うようになります。

明らかに無駄だと思っていることも、
放置されたままというようなことが頻繁に起きてきます。

このような状況では、もちろん、新しい仕組みは生まれてきません。

このような組織は、現在のような変化が非常に早い時代では
取り残されて淘汰されていくでしょう。

若手が「枠を広げてやるべきことを考え、
周りを巻き込んで仕事をする」中堅へと成長することができるかどうかは、
組織の成長にとって重要な問題です。

それでは、若手が「枠を広げてやるべきことを考え、
周りを巻き込んで仕事をする」ためにはどうすればよいのでしょうか。

その鍵は、『目的志向』にあります。

指示待ち状態は、

「ここまでが自分の仕事の範囲」
「他部署のことはいいや」

というような目の前のことしか見ないことが原因で起こります。

そのような若手に対し、高い視点を持ち、
組織や自分のあるべき姿、本来の目的を考えるよう支援していく。

その上で自分がやるべき行動は何なのか考えてもらうことによって、
枠が広がります。

また、「周りを巻き込む」ということに関しても、
『目的志向』が重要になってきます。

お客様のためというそもそもの目的に立ち返ると、
仕事は自分一人だけでは完結しません。

多くの人の協力を得て、
はじめてお客様に価値を提供することができます。

売れないことを商品のせいにしている営業マンがよくいますが、
愚痴を言っているだけでは前に進むことはできません。

お客様のためという目的をより高いレベルで実現するためには、
営業現場で聞いた声を商品開発部門に伝えていくというような
周りを巻き込んだ動きが必要です。

このように、高い視点を持ち、
組織や自分のあるべき姿を考えることによって、
「枠を広げてやるべきことを考え、
周りを巻き込んで仕事をする」というスタンスが芽生え出します。

すると、組織もどんどん成長します。

若手も自分の仕事に誇りを持ちながら、
イキイキと働くことができるようになります。

しかし、概して、枠にはまってしまっているということには、
自分では気づかないものです。

先日、ある会社でこの枠を取り払うための
「セルフマネジメントDRIVE」というシミュレーション研修を実施しました。

この研修で、始めに自分の会社の問題点を挙げてもらうと、

「うちの会社は縦割りで、コミュニケーションが全然ない。
皆、自分の仕事に没頭してしまっていてチームワークが悪い。
会社の風土が悪い」

と言っている受講者の方がいました。

その彼も、いざシミュレーションが始まると、
その人自身が、一人で黙々と作業をしている。

そして、シミュレーション後にフィードバックを受けてはじめて、

「会社にチームワークがないのが嫌だと思っていたけれども、
自分もその一端を担っているのだと気づきました」

と枠にはまってしまっていた自分に気づいていました。
自律の第一歩としての気づきを得た瞬間です。

このように枠をつくりながらも自分で気づいていない。
そんな状況に陥っているのが仕事に慣れてきた若手の時期です。

その上、若手から中堅への変化は、
節目を自覚する機会がなかなかありません。

管理職になったときには、
昇進という目に見える形での変化や役割の変化があります。
更に、多くの企業では管理職研修が行われますので節目がわかりやすい。

しかし、若手から中堅への節目は、
特に目に見えてわかる変化があるわけではないケースが多いので
自覚しにくい。

自覚することができないので、
多くの若手がいつまでもこのステージに留まってしまい、
「成長の踊り場」となっています。

私は、若手が自らの節目を自覚し、
「枠を広げてやるべきことを考え、周りを巻き込んで仕事をする」中堅として
活躍できるようサポートすることは、
人事担当者が行うべき役割だと思っています。

あなたの会社の若手社員は、枠にはまってしまってはいませんか。
あなたの会社では若手の枠を広げるために、どのような取り組みをしていますか?

 

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