
皆さん、こんにちは。シェイクの森田英一です。
突然ですが、皆さんの会社では新入社員の目は輝いていますか?
新入社員が入社してから半年程たちました。
彼らと話をすると、こんな声が聞こえてきました。
「今の仕事には向いていないと思うことが多くなってきて、
我慢するか早めに転職するか迷っています」
「今までが甘かったのかもしれませんが、
自分の人生の中でここまで一生懸命やっても怒られる経験は、
正直言ってありませんでした。
自分がどんどん無気力になってきているのを感じます。
一生懸命やること自体、馬鹿らしくなってきました」
彼らの多くは学生時代に、受験もそれほど厳しくなく、
就職活動もそれほど厳しい状態ではなかった。
それほど大きな壁にぶつからず生きてくることができた、
ある程度自信を持っているある意味、幸せな世代です。
しかし、自信を持って会社に入ると、思ったように評価されない。
社会という壁にぶつかり、自分に自信をなくしたり、
そんな弱い自分を認めるのに苦しんだりしています。
入社してから半年程のこの時期は、
入社前の期待と現実の間にある様々なギャップに苦しむ人が多い時期です。
「自分はこの仕事に向いているのだろうか」
「ここにいて本当に成長していけるのだろうか」
「こんな仕事をするためにこの会社に入ってきたわけじゃないのに」
「このままでは同期に後れをとってしまうのではないだろうか」
「なかなか自分を出すことができない」
このような葛藤や不安が芽生え、徐々に元気がなくなり、
モチベーションはダウンし、無気力になる人も出てきます。
私たちはこのような現象を『半年病』と呼んでいます。
先日、シェイク社で、2008年度新入社員400名を対象とした
入社半年後実態調査を行いました。
今年も昨年同様、
入社後、葛藤に苦しむ新入社員の姿が明らかとなりました。
この調査結果によると、
入社から半年たった段階で既に7人に1人の方が会社を辞めるために
具体的な行動を起こしたことがあるという回答をしています。
なぜ新入社員は『半年病』に陥るのでしょうか。
その大きな要因の一つとして、
「成長への焦り」があります。
実際に今回の調査でも、
早く成長しなくてはいけないという焦りを感じている新入社員は
73.8%にも上っています。
また、「自分の将来に危機感や不安を感じますか」という質問に対して、
61%の新入社員が不安を感じると回答しています。
更に、最近では大手金融機関が破綻し、
数千人が職を失う事態となっている世界規模の金融危機が起こりました。
これらの出来事を見つつ、
「自分たちはこれからどうなるのだろうか」
「自分はこの会社にいて本当にいいのだろうか」
「自分は社会人としてやっていけるのだろうか」
と若手の不安 をますます強めています。
以前までこのような不安定な時期を、
乗り越えるのに一役買っていたのは、先輩社員の存在でした。
しかし、今、『不機嫌な職場』という本が
ベストセラーになっていることに象徴されるように、
社員同士の交流や協力が希薄になっている職場が溢れています。
上司や先輩は自分の成果を出すのにいっぱいいっぱいで、
新入社員にかかわる余裕はない。
OJTトレーナーとして任命されているにもかかわらず、
新入社員に関心を示さず放置をしてしまっている。
このような状況で、先輩や上司との信頼関係や、
一体感を持てていない新入社員が多く存在します。
成長を実感する上でも、上司や先輩との人間関係は大切です。
「お前、成長したな」と言われた言葉の嬉しさは、
何にも変えがたいものがあります。
成長は自分ではなかなか気づきません。
人から言われて初めて気づくことも多いものです。
「成長への焦り」を感じている彼らにとって、
仕事のサポートと心のケアをしてくれる先輩の存在はとても重要なのです。
成長への焦りを感じているというのは、
裏を返せば、成長意欲が高いということです。
そんな彼らのモチベーションを十分に活かせているでしょうか?
彼らは、‘ゆとり世代’と呼ばれ、ネガティブな面が強調されていますが、
本当に彼らは今までの世代と比べて、‘イマイチ’なのでしょうか?
もちろん、彼らは、
壁を乗り越える経験が不足していることによるストレス耐性の弱さや、
ITや携帯の発達や家庭環境などの影響によってか、
世代間コミュニケーションが得意でない部分は感じます。
転職しようと見切りをつけるのが早すぎるのも気になります。
しかし一方で、彼らはまじめで、地頭が良くセンスが良く、成長意欲も高い。
「これ何のためにやるのですか?」などと不遜な質問を聞きますが、
彼らは仕事の意味や目的を納得すると非常に頑張るパワーを持っている。
正義感に溢れる部分は、以前よりも高くなっていると思います。
彼らは学生時代に、情熱を燃やすものを持てなかった人が多い。
でも、彼らはもっと燃えたい。もっと没頭したい。
そして、意義・意味を感じながら、
もっと成長したいと感じているように思います。
そんな彼らがモチベーションを下げている本質的な原因は何でしょうか?
それは、「ロールモデル」の不在のように感じます。
上司や先輩たちが仕事に追われ、余裕なく、苦しんでいる。
仕事をガムシャラにしても、
会社が不祥事で苦労が報われない人を見ている。
仕事一筋にやっていても、
家庭やプライベートはボロボロで、人としての魅力がない。
自分の気持ちに嘘をついて働き、イキイキとしていない。
想いを持っていない。何か諦めている。
そんな大人の姿への反発、
アンチテーゼもあるのではないでしょうか?
もっと想いやこだわりを持って、社会のために働きたい。
仕事だけで人生終わりではなく、
人として、魅力ある人間でいたい。
そんな純粋な想いを持っているのではないでしょうか?
「いまいち働く意味が見出せない 」
「上司から型にはめられて、意見も言えない」
「実際に中に入ってみてのギャップが大きく、戸惑っている。
入社する前に大きな幻想を抱いていたわけではなく
、実際に会社から発信されていることだったので、
それが一言で言えば“嘘”だったことにがっかりしている 」
「自分の人生において『社会に価値を発揮したい』という感覚がずっとあったが、
単純に『楽に生きてもいいのではないか」と考えるようになった」
そんな声を半年たった新入社員から聞きます。
彼らは、純粋に、仕事に没頭したい。もっと燃えたい。
そんな気持ちを少なからず持っています。
もちろん、まだまだ社会人として身につけるべき基礎はある。
壁を乗り越える力がまだまだ弱いかもしれない。
でも一方で、純粋な彼らのロールモデルに、
僕たちが、社会人の先輩として、きちんとなれているか。
上司や先輩は新入社員の仕事のサポートと心のケアをするだけではなく、
自分自身も想いや意志を持ってイキイキと仕事をする。
その背中を見ることによって、新入社員は、
「自分もいつかはああなりたい」と憧れ、
頑張って働くことができるのではないでしょうか。
新入社員を「イマドキの若い奴は…」と嘆くのは簡単です。
でも、彼らの特徴は、
社会環境の影響によって育てられてきた側面が大きいでしょう。
今の大人の責任ということです。
また、彼らの持っている純粋さは、
新しいこれからの会社のあり方、
社会人のあり方を見直す指針となる可能性を感じます。
新入社員が入社する度に、
そして、彼らと接する度に、働く原点に戻ることができます。
今回の調査から出た結果で、
自分自身が彼らのロールモデルになれているだろうか?と、
自分自身のあり方を改めて考えさせられました。