
皆さん、こんにちは。シェイクの森田英一です。
2月も後半。あと1ヶ月もすれば、08年度の新入社員が入社します。
最近、人事担当の方と話していて出てくる話が、
「若手社員の“考える力”が落ちている」という話。
考える力は、若手社員だけでなく、どの年代層にも必要とされるようになってきています。
といいますのも、以前は、マネジメント層が目的・目標を考え、答えを考え、現場には求められたのはどちらかというと“実行力の高さ”でした。
ある種「答えがある時代」だったといえます。
しかし、今は変化の時代。
答えがない今の時代に、変化に対応する自律的な組織になるためには、マネジメント層だけでなく、社員1人1人が意味や目的を考え、的確に対応する“考える力”を養っていかなければいけません。
今回は、この“考える力”についてお伝えしたいと思います。
「考える」こととは、「自分の考えを疑う」こと
若手社員の考える力が落ちているひとつの原因として、自分とは違う価値観や観点を持っている人と話をする経験や、違う価値観の人が書いた本を読んだりする機会が圧倒的に減っているからではないでしょうか?
自分とは違う“モード”の他者との会話の中で、人はたくさん考えます。
それをもとに、自分の中で考えを深め、それを相手にわかるように伝える。
そうやって、どんどん人は考えを深め、考えをまとめていく能力を高めていく。
そう思います。
それが今は、核家族化・少子化が進み、家族でもぶつかり合う機会が減ってきている。
近所づきあいも減り、学校でも怒られない。
友人も、気が合う仲間とだけつるんでいればいい。
それ以外では、いじめという形での歪んだ接し方。
そのような環境の中で育ってきたイマドキの若者は、それほど考えなくても生きてこられてしまった。
そんな時代ではなかったかと思います。
しかしながら、本当の意味での“考える”ということは、
「自分の発言を疑うこと」から始まるのではないでしょうか?
シェイクで実施している研修の中でも、その人が発した言葉に対して周りの人が鋭い観点で質問攻めするワークを実施しますが、そのことによって、その人の考えが圧倒的に深まります。
周りの力を借りながら、自分の考えを深める。
そういったトレーニングが必要だと私は考えています。
しかしながら、周りの力はいつも借りられるわけではありません。
考える力が強い人は、自分の考えを一旦疑うことが自分でできる人。
自分の発した言葉を疑ってみる。
例えば
「私は調和を大切にしたい。」
「……本当か?
嫌な人がチームにいたらどうするんだ?」
「私は本当に調和を大切にしたいのか?
それとも、ぶつかり合うのを恐れているだけなのか?」
自分のことを改めて疑ったり、質問したりしてみる。
そこで考えたことを整理してみる。
この繰り返しが、深く考える、ということに繋がると思います。
“考える力”支援ツール「マインドマップ」
自分に質問し、整理してみる。
そのプロセスの中で、自分で考えをまとめることを支援するツールがあるのをご存知でしょうか?
それは、マインドマップといいます。
最近、雑誌などでも特集がよく組まれていますのでご存知の方も多いかと思います。
ノートを取るとき、通常は文章や箇条書きで記述すると思いますが、マインドマップの場合、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを繋げて表記します。
人間の脳のシナプスの繋がりと似ているため、通常の表記よりも理解や記憶がしやすいともいわれ、近年注目を浴びている表記方法です。
私がマインドマップを初めて知ったのは、今から6年程前。
それまで、頭だけを使って考えていると、混乱したりアイデアを忘れてしまったり、深い思考にならなかったりするなど、考えを深めるのに苦労した経験が多々ありました。
それが、考えを紙に書き出し、アイデアの枝葉が目に見えるようになったことで、自分に対して質問をして連想を広げたり、深く堀り下げたりすることが容易にできるようになりました。
それまで私は、思考を深めたいときにはよく色々な人とディスカッションしていました。
自分とは違った視点を持っている人と話すと、質問を受け、考えが深まるためです。
しかし、マインドマップを使うようになってから、「人の時間を奪わなくても、自分で思考を深めることができる!」と気がついたのです。
今までの色々な方から受けた質問を思い出し、「例えば○○さんだったら、どんな意見をくれるだろう?」
そんな質問を自分に投げかけ、マインドマップに記す。
質問を自分で考えると、発想が広がることに気がつきました。
自分の考えを書き出して、自分の考えを疑い、自分に質問する。
これこそが、“考える力”の強化に繋がりました。
今やマインドマップは、私にとってアイデアを発想し、考えを深めるときには欠かせない「考える支援ツール」になっています。
OECD(経済協力開発機構)が実施している「学習到達度調査」というものがあります。
OECD加盟57カ国で義務教育の修了段階にある15歳の生徒を対象に、
読解力、数学、科学、問題解決力を調査したものです。
最新の2006年のデータによると、例えば読解力について、日本は15位。
1位は韓国、2位はフィンランドという結果が出ています。
実は、この上位の韓国やフィンランドには、ある共通点があるといいます。
どちらの国も、義務教育に「マインドマップ」を取り入れているらしいのです。
この考える力の訓練は、年齢が若ければ若いほど鍛えられ、柔軟な思考ができるようになるといわれています。
若いうちから、マインドマップのようなツールを使うことで、トレーニングするのも手でしょう。
例えば、仕事で何か企画をしなければいけないときに、色々な質問を自分に投げかけてみて、紙に書いてみて、可視化していく。
そのことで、今までとは違う発想が自分の中から湧き上がってくることが実感できるはずです。
もし、あなたが抱えている問題や、悩み事、人に相談したいことがあれば、このコラムを読み終わった後に、自分に様々な質問をしながら紙に書き出してみてください。
きっと、いつもと違った考えに発展していくでしょう。