
皆さん、こんにちは。シェイクの森田英一です。
今回のコラムでは、 シェイクが提唱している「自律成長プロデューサー」という、 マネジャーの新しい概念についてお話ししたいと思います。
現在マネジャーの方や、 マネジャーを育成したいと考えている人事の方々の ご参考になれば幸いです。
近年、私は上司・部下の関係が大きく変化していると感じていますが、
あなたの会社ではいかがでしょうか。
近年起こっている上司・部下の関係の変化。
それは、上司・部下の関係の「限界」といってもよいと思います。
以前までは、上司・部下の関係は、基本的にはその関係は変わらず、
部下が上司を超える、ということが起きることはありませんでした。
また、上司の言うことが正しく、部下はそれに従うのが通常のことでした。
ただ、最近においてはいかがでしょうか。
今やIT技術が日々発展し続け社会の変化も激しい。
SNS、セカンドライフなどWeb2.0に関する情報の詳しさ、iPodなどの最新機器を
使用する感覚、パソコンの使用スキル、インターネットでの情報収集力など、
部下の方が、最新の情報を持っていたりアイデアを持っていたりすることは、
これからも益々起きるでしょう。
5年後、10年後の社会の変化をとらえる力は、
必ずしも上司が優れていて、部下の方が劣っているとは
もはや言えないのではないでしょうか。
IT業界での技術者を例にとると、
「セキュリティの分野ではA君が詳しい」
「サーバに関してはB君が強い」など、人によって違いがあり、
大概の場合、上司はすべての技術に詳しいわけではありません。
またすべて詳しくなろうとしても、上司にも限界があります。
それでも、上司は彼ら部下をマネージしなければいけない環境に
置かれているのです。
これはIT業界に限らず、あらゆる業界・分野で 同様のことが起こっていると言えます。
かのカーネギーが、墓標に
"Here lies one who knew how to get around him men who were cleverer than himself."
「己より賢き人々を周囲に集める術を知りたる者、ここに眠る」と
記したという有名な話からもわかるとおり、昔からマネジメントのポイントは
「自分より優秀な部下を活かすこと」だと言われています。
ですが、なかなかそれができていないのも事実で、 「上司が部下を管理する」という考えが いまだに通説になっている企業も多いのではないでしょうか。
スピードの速い変化の時代の中で、今まで以上に 自分よりも能力の高い人を部下にして、 彼らの能力を最大限発揮してもらうよう働きかけることが、 マネジャーに求められます。
マネジャーの方々にとってはなかなか受け入れ難いことかもしれませんが、
「必ずマネジャーの方が優れていなければならない」というパラダイムには
限界があるのです。
「メンバーの方が優れていることがある」というパラダイムへ早く転換し、「上司」「部下」ではなく「パートナーシップを組む」という考えに
シフトチェンジしていく必要があるといえるでしょう。
今求められているマネジャーの役割は、 (部下ではなく)メンバーの能力を最大限引き出し、各人にリーダーシップを 発揮してもらえるような場づくりをすることなのです。
極端に言えば、
「上司」「部下」という言葉自体が、古い概念であるとすら言えます。
マネジャーやリーダーは役割であり、機能なのであって、上下が決まって
いるわけではないということです。
イキイキとお互いにかかわり合い、自律的に成長する!
「自律的チーム」をプロデュースする
パートナーシップと並んで重要になってくるのが、
これまで1対1だった上司部下の関係を
多対多の「チーム」としてとらえ、
場のプロデュースをする意識を持つことです。
チームメンバー同士が相互にかかわり合いを持ち、
イキイキと働き、お互いにフランクにディスカッションする中で
いいアイデアを出し合う。
そういった、メンバー同士が相互に学び合い、
自律的に成長するための場をつくり出せるかどうかは、
自律成長プロデューサーの手腕によるところになります。
では、メンバーが自律的に学び合う場にするために、 自律成長プロデューサー(新時代のマネジャー)は どのような動きをすればいいのでしょうか?
ポイントになるのは
「タブーと言われることを、口に出せる場」にするために、
常に場を読み、働きかけることです。
「そもそもこの会議の目的は何だろう」
「この議題を取り上げる意味はあるんだろうか」
「もっと効率的な方法があるんじゃないか」
「この言葉の意味が、よくわからない……」
口に出さない、あるいはうまく表現できていないかもしれませんが、 若手はそんな「そもそも」の素朴な疑問を日々感じているものです。
しかし上司に怒られたり、他のメンバーに馬鹿にされたりする中で、 大概の場合は黙って過ごすようになり、「企業の常識」に染まっていき、 次第に「そもそもの疑問」を忘れていってしまいます。
素朴で本質的な疑問が出ると、場が急に本質的なことを考える場に変わります。
素朴な疑問を言いやすい場をつくると、
それぞれが高いパワーを発揮しながら、メンバーの強みが活かされ、
自律的に学習をしていくようになります。
こういった自律的な学習の場をつくるために
自律成長プロデューサーがすべきは、常に【場を読む】こと。
今はどんな「場」か。どんな雰囲気か。
なぜ、この人はそんな反応をするのか。
例えば、会議の場なのに、何も発言しない。
あまりに話さないので指名すると「いえ、結構です……」と意見を言わない。
あなたの会社の後輩にも、そんな人がいるのではないでしょうか。
もしそんな人がいたら、
「意見がはっきり言えないやつだな」
「もっとしっかり物を考えてほしいな」
そんな風に個人にフォーカスを当てるのではなく、
ぜひ、「場」にフォーカスを当ててみてください。
「なぜ、彼は意見を言えないのか?」
「自分が意見を言えない場にしてしまっていないか?」
「言っても意味がないと思わせてしまっていないか?」
「場」を観察し、プロデュースしていく。
それこそが、自律成長プロデューサーの役割なのです。
あなたの職場は、どんな風土でしょうか?
部下にとって、意見が言いやすい「場」でしょうか。
メンバーは意見を言い合い、チームワークを発揮し、 お互いに成長できているでしょうか。
部下は、上司を見て「何を言っても変わらないな」 「あまりかかわらないでおこう」「そこそこでいいや」と 思ってしまっていないでしょうか。
マネジャーは部下が最大限能力を発揮できるよう、 「場」をプロデュースできているでしょうか。
「場づくり」こそが、新時代のマネジャーの仕事なのです。