
皆さんこんにちは。シェイクの森田英一です。
シェイクでは、現在、企業研修を主軸とした教育事業を展開していますが、将来的には、大学、高校、幼児教育など、学校教育分野にも本格的に展開していくつもりです。
今回は、私がなぜ教育事業を始めようとおもったのか、今の教育に対する問題意識について改めて書かせていただこうと思います。
教育への問題意識 ~ 「パラダイムが断絶している」
「最近、入社3年目前後の若手社員が、数名相次いで辞めてしまったんですよ。入社して数年、現場でいい経験を積んだので、これからもっと責任あるポジションでがんばってもらいたいところだったのに…」
これは、先日お会いしたある企業の人事担当の方の言葉です。若手が早期に退職してしまうケースは、この企業に限ったことではありません。先日の週刊東洋経済(2006年6月10日号)でも特集が組まれていましたが、若手の早期離職を問題視し、対策を立てている企業が増えています。
彼ら若手は、なぜ早期に離職してしまうのでしょうか。
この問題を考えるときに、一般的には「今の若者はすぐに投げ出す。我慢が続かなくなっているから」「最近の若手は打たれ弱いから」など、「若手がふがいない」論で片付けられているケースが多いように思います。
もちろん、そのように若手の側に問題がある場合もありますが、もっと違う視点も持たないと本質を見誤る恐れがあると、私は思います。
若手の離職はどのようなメカニズムで起こっているのでしょうか。そして、企業としてどのような対策を考えればいいのでしょうか。
若手の早期離職、5つのタイプ ~ふがいない・悶々・聞いてないよ・正直革命・次のステップ
若手が離職するタイプを分析すると、主に以下の5つのタイプに分かれると考えています。
- 「ふがいないタイプ」
- 「悶々タイプ」
- 「聞いてないよタイプ」
- 「正直革命タイプ」
- 次のステップタイプ」
順を追って説明していきたいと思います。
■ケース1.「ふがいないタイプ」
「新卒が入社して間もなく、客先でマナーを一言注意したら辞めてしまった」
「お客に怒られただけで、出社しなくなってしまった」
ちょっと聞いただけでは「そんなことが本当にあるの?」と感じるような話ですが、実際にこうした状況に陥り、解決策を求めていらっしゃる企業の人事の方のお話を、最近よくうかがうことがあります。
このように、ちょっとしたストレスがあっただけで辞めてしまう人を「ふがいないタイプ」と呼んでいます。
ふがいないタイプの人は、コミュニケーションの問題を抱えていることが多いように思います。学生時代に自分とタイプが違う人とコミュニケーションをあまりとってこなかったため、自分と違う考えの人を理解し、受け入れることができないのです。そのため、上司に怒られる、お客さんに何か言われるなどの摩擦に圧倒的に弱いのです。
これまでの若手の早期離職の問題は、「ふがいないタイプ」ばかりを見て取り上げられていたように思いますが、それだけではありません。他にも、4つのタイプがあると考えています。
■ケース2.「悶々タイプ」
「仕事は、そこそこおもしろいんです。やりがいがないわけでもない。でも、自分らしさや、自分でしかできない仕事だ!という実感がないんです…」
そんなふうに悩んだ結果、退職してしまうのが「悶々タイプ」です。
知り合いの人材紹介業の方の話によれば、明確に転職の意思はなくとも、このように「悶々」と悩んで相談にくるケースが最近、後を絶たないのだそうです。
悶々タイプの原因としては2種類考えられます。
1つめは、仕事や企業風土と、本人の価値観が合致していない場合。この場合は、入社の時点でミスマッチが生じている可能性があります。
2つめは、社内の育成体制に原因がある場合。仕事に慣れ、ルーチン化してきているために仕事のやりがいや意味、自分の成長感を感じられていない場合です。
ある程度仕事に慣れ、将来のことも考えられる余裕ができてきている3年目くらいの方に、この「悶々タイプ」が多いと感じます。
彼らは仕事にやりがいを感じられなくなったため、「ほんとうにこれをやりたかったのかな」と悩んでいるのです。
■ケース3.「聞いてないよタイプ」
働くうちに入社前のイメージとのギャップを感じ、「聞いてないよ!」「こんなつもりではなかった!」と離職に至るのが、この「聞いてないよタイプ」です。
「就職活動中の説明会やOB訪問では仕事のいい面ばかり伝えられていた。実際の業務に就いてから、かなりのギャップを感じています…」
「自分がイメージだけで仕事をとらえて、わかったような気になっていました」
詳しく話を聞くと、本人の意識や確認が不足しているケース、企業が良い面だけしか伝えていないケースなど原因はさまざまですが、入社前にはわからなかった価値観の差に気付いたり想像と違う仕事についたりすることで、離職するに至っています。
■ケース4.「正直革命タイプ」
「正直革命」とは、「もっと自分にしっくりくる、自分らしいことをやろう!」と自分の中でのいわゆる“革命”を起こし、キャリアチェンジすることを指しています。
本来の自分の希望とは違うのに、入社の時点で「1番最初に入る会社は、名前の通った大企業の方がいいだろう」「親に勧められたし、人気も高いから、この企業にしよう」というような理由で、自分を納得させて入社する人がいます。
数年経ってから「やっぱり、自分のやりたいこととは違う!」と“正直革命”を起こし、離職するのがこのタイプです。
今は、一昔前のような一度入社してしまうと定年まで勤め上げようとする時代と違い、転職が容易に選択肢の1つとして考えられる時代です。こういった時代背景もあり、正直革命を起こす方が増えているように思います。
■ケース5.「次のステップタイプ」
「実は、転職を考えているんです。他の会社の方がもっと成長できそうなので。」
そういって、転職の相談をしてきた人がいました。最近特にこのような「次のステップ」を探しての転職が多いように思います。
仕事に対するモチベーションが高く、強い成長意欲を持っている方は、入社3年ほど経って仕事がルーティン化し自分の成長を感じられなくなると、もっと成長できる環境を求めて転職に踏み切ります。彼らにとって「石の上に3年」はもはやナンセンス。「そんなスピードでは市場価値が失われてしまう」といいます。また、上司や社内に尊敬できる方がいないと感じ、新しい環境を求めるケースも多くあります。
所属している部署や10年後、20年後の企業の牽引力になってくれるであろう人が辞めてしまうのは、人事としても経営者としても、なんとも痛い結果です。
今回は「なぜ若手は辞めるのか」、そのメカニズムの5つのタイプをお伝えしました。
あなたの企業で起きている若手の離職は、何タイプが多いでしょうか?
今、若手の離職が社内でまだ顕在化していない企業の方も、ぜひこれを機に考えていただければと思います。
次回は「若手の流出時代 ~人事が打つべき施策」について、お伝えしたいと思います。