
経営者の方や、人事部の方とお話してしていると、こんな声をよく耳にします。
「若手には‘がんがんやれよ’と言っているのにさっぱり面白い提案が出てこない。」
「うちの会社は、若手にどんどん仕事を任せるチャレンジングな環境なのに、アグレッシブに挑戦していく奴がいない。」
実はこれ、「え!あの会社が!?」と耳を疑ってしまうような企業の話なのです。
例えば、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているベンチャー企業や、何十年も業界のリーディングカンパニーの大御所企業。
外から見たら、「とてもそんな悩みを抱えていると思えない」というような一流の企業や成長ベンチャーでも現れるこのような症状を総称して、当社では【プチ大企業病】と名付けています。
今回はこの【プチ大企業病】の症状と、その処方箋についてお話したいと思います。
『出る杭』のやる気を奪う【やったもの負け病】
冒頭でお話した2つのコトバは、【プチ大企業病】の中でも【やったもの負け病】という症状です。
「若手に‘がんがんやれ’とハッパをかけているのに、面白い提案が出てこない」
「チャレンジングな環境を用意しているのに、挑戦してくる奴がいない」
【やったもの負け病】が蔓延している企業の上層部は、大体、社員に対して 『‘がんがんやれ’と言っている』『チャレンジングな環境を用意している』など、若手のチャレンジを奨励していると思っていることが多いのです。
一方、社員に話を聞くと、
「やって失敗したら評価が下がるし・・・手を挙げた人は忙しくなって損している」
「新しくやってみたい事は色々ある。だけど日々の業務で手一杯だし、実際に手を挙げて‘やります!’って言うと、リスクだよね。」との声。
【やったもの負け病】の特徴はこの様に、企業の上層部は、若手のチャレンジを奨励しているつもりなのに、実際社員が新しいことを始めるとなると、<<ところにあるのです。
これは、よく言われる<<という意味ではありません。この症状の場合、出る杭は、奨励されるのです。
しかしながら、出る杭が、行動しはじめても、
- 忙しさだけ倍になる
- 失敗したら評価が下がる
などの、リスク要因だけが多くなって、結果的に『損をする』構造になるのです。
社員は、実現したいアイデアやチャレンジしたい意欲もあるけれど、実際それを実行するとなると、結局、リスクを負うだけだから、踏み出せない。そんな風土が蔓延してくるのが、【やったもの負け病】なのです。
【やったもの負け病】の恐ろしさは、そしてそのため、新しい工夫が生まれず、企業の発展スピードが遅くなることにあります。
【やったもの負け病】を生む原因とその対策
では、どうしてそもそも【やったもの負け病】は生まれるのでしょうか?
一番大きな原因は、以下です。
<<口では「挑戦してほしい」と言っているが、本当にチャレンジしやすい環境を用意していない事>>
もちろん、創業社長等は、どんな困難な状況であれ、それを切り開いて新しいことを成し遂げたと思います。しかしながら、想像以上に社員は今の業務に追われていたりしていることもあります。また、この会社にコミットしたいと思っている会社からの評価が下がることも大きなリスクとしてあります。
チャレンジすることを組織として、本気で奨励していることを示すには、「やれ」というだけではなく「やるための適切なサポート」をすることが重要なのです。
成功しやすい環境を作りだす。そのためには、成功するために必要なリソース(ヒト・モノ・カネ・時間・情報)を提供し、その上で、「任せる」のがポイントです。
「通常の仕事と兼務せねばならないが、時間がない」「プロジェクトに割けるだけの人員がいない」という問題を解決する【チャレンジできるだけの環境】があれば、挑戦していく社員はもっといたのではないでしょうか?
- 今携わっている業務に別の人をアサインし、新しい業務に挑む時間を提供する
- プロジェクトを成功させるための資金を提供する
- 人事権や決裁権など、ある程度の権限を移譲する
- プロジェクトを成功させるために相談に乗る、アイデアを出す
あなたの会社では出来ていますか?
【プチ大企業病】を放置すると・・・
【やったもの負け病】を初めとする【プチ大企業病】には、以下2つの特徴があります。
- どんな企業でも例外なく発病すること
→ 規模の小さい企業、歴史の浅い企業も例外なく発病する可能性がある。特に、急成長して新しい人が増えたタイミングや、大企業で、マンネリ化してきたときに起こりやすい。 - 放置すれば、いずれは取り返しのつかない状況をもたらす問題であることこと
→ 顧客より上司の顔色を伺う社員や、明るみに出したくない情報を隠蔽する社員を増殖させるなど、企業として、後で改革を行うのは非常に苦しみを伴うものになります。
逆に言うと、【プチ大企業病】はであるとも言えます。
「昔は手を挙げる社員がいたのに、最近は勢いがない若手が増えてきたなあ。」なんて感じたら、このシグナルを感知し、早め早めに対処してください。